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トップメッセージ更新!「今年のキーワード」(2009.1.1)


あけましておめでとうございます。
本年も変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます。


 さて、波乱の経済社会の崩壊により幕を閉じた平成20年。

今年はどのような年になるのでしょうか。日本国内の内需拡大に向けて、私たち経営者はより一層の経営努力を求められることは確かですが、それに向けて、経済社会の動向だけでなく、大きく変わろうとする一般市民の意識動向に注視する必要がありそうです。


先日、昨今の環境問題に対してリーダーシップを発揮するフランスのサルコジ大統領と、その大統領を支えるフランス国民の権利意識についての話題が、新聞の社説に記載してありました。その社説には、1989年の「スカーフ事件」を題材にして、「自由」「平等」「博愛」を掲げるフランス国民の権利意識の根底には、国、学校(教育)、すなわち「公共的領域」に対する忠誠心があると。


「スカーフ事件」とは、様々な文化的宗教的背景をもった住民を多く抱えるフランス共和国において、公立中学校の女子生徒が、スカーフを外す事を拒否したことを理由に退学処分になったという事件です。これについては、フランスにおいてさまざまな論争が巻き起こり、2004年3月15日、公立学校で生徒が、「誇示的な」「宗教的な」標章を着用することを禁止する法律が公布されるまでに至りました。


この「スカーフ事件」のような論争が巻き起こるためには、公立学校とは、一人の自律した市民として社会に参入していくことを容易にしていくために、自らの信念やイデオロギー、社会的帰属を相対化する場である、そのような考え方があり、それが確実に根付いていることが必要です。すなわち、社会生活の中に「私的領域」「公共的領域」の明確な区分があることを、フランス国民全員が意識していることにあり、日本国民もこれを見習って国力をつけていくべきである、と社説は締めていました。


私が考えた今年のキーワード。「奉」。
昨年のリーマンショック以来、会社に対して全く従属意識のない派遣社員に支えられてきた企業は一斉に崩壊し、その派遣社員は全員切り捨てられました。そこで会社を恨んでも何も始まりません。そこには「公共的領域」色はなく、自ら自由に働く権利を主張する「私的領域」でしかなかったからです。自ら革命をおこし、200年以上その心を培ってきたフランス国民と同様に考えることはできませんが、日本には日本の文化、歴史、風土があり、それを生かして育んでいくことができます。
すなわち、家族に対し、会社に対し、地域社会に対し、まず一人ひとりが奉仕の心を持って、奉(俸)げてみましょう。そして、「公共的領域」を造ろうとするその心を掴んだ時に、きっと新たな企業利益が生まれてくるでしょう。
すべてが崩壊してしまった今、私たちにならできること。
まず始めてみましょう、新しい社会に向かって。


2009年 1月1日
司法書士 谷口 貴